
美容師の仕事大変5選
美容師という職業と聞くと、多くの人は「おしゃれ」「華やか」「人をきれいにする素敵な仕事」というイメージを抱くのではないでしょうか。雑誌やSNSで活躍する有名美容師、トレンドを発信するカリスマたちの姿は、まさに憧れの的です。
しかし、その華やかな表舞台の裏側には、想像以上に厳しく大変な現実が存在します。実際に美容師を志す人の中には、「思っていたのと違う」とギャップに悩む人も少なくありません。今回は、美容師の仕事の大変さを5つの視点から掘り下げてみたいと思います。
1. 長時間の立ち仕事と体力勝負の現実
美容師の1日は朝早くの開店準備から始まります。掃除やタオルの準備、シャンプー台の点検など、営業前からすでにやることは山積みです。そして営業時間中は基本的に立ちっぱなし。
シャンプーやカット、カラー、パーマ、ブローなど、すべての施術は立った状態で行います。忙しい日には昼食をゆっくり取る時間もなく、気づけば1日10時間以上立ち続けていることも珍しくありません。
そのため、腰痛や足のむくみ、肩こりなど体の不調を抱える美容師は非常に多いのが現実です。「体力がある若いうちしか続けられないのでは」と感じてしまう人もいます。それでも、健康管理をしながら体を鍛え、仕事に向き合う姿勢こそがプロとしての強さとも言えるでしょう。
2. 休日が少なく、生活リズムが不規則
美容室にとって土日祝日は一番の稼ぎ時です。そのため、美容師は基本的にカレンダー通りの休みを取ることができません。友人や家族が休日を過ごしているとき、自分は仕事をしているという状況はよくあります。
さらに、月に数回しか休みが取れない店舗もあり、体を休める暇がないという悩みも。営業時間が長いサロンでは、朝早くから夜遅くまで働き、帰宅してからも練習や勉強に追われることもあります。
一般的な会社員とは異なる生活リズムになるため、友人や恋人との予定が合わず、人間関係が希薄になってしまうことも。華やかに見える仕事だからこそ、その裏側で犠牲になっている部分も少なくないのです。
3. 手荒れや腰痛など、美容師特有の職業病
美容師がよく悩まされるのが「手荒れ」です。シャンプーやカラー剤、パーマ液など、毎日何十回も水や薬剤に触れることで、皮膚が乾燥し、ひび割れや湿疹ができやすくなります。
さらに、カットやブローでは同じ姿勢を長時間続けることになるため、腰痛や肩こりも職業病のひとつ。若い頃は気にならなくても、年齢を重ねるにつれて体への負担は確実に積み重なります。
最近では手袋や保護クリームを使用するサロンも増えていますが、それでも完全に防ぐことは難しいのが現実です。美容師を続けていく上で、健康管理やセルフケアは欠かせない課題となります。
4. 技術習得に時間がかかる ― デビューまでの長い道のり
美容師免許を取得してサロンに就職しても、すぐにスタイリストとして活躍できるわけではありません。アシスタントとしての下積み時代が数年続きます。
シャンプーやカラーの塗布、パーマのロッド巻き、ブロー、接客マナーなど、学ぶことは膨大です。さらにカット技術の習得は一朝一夕ではできません。毎晩のようにウィッグを使った練習や先輩によるテストを繰り返し、合格して初めてお客様を担当できるようになります。
その過程は「努力してもなかなか結果が出ない」「同期が先にデビューして焦る」といった精神的なプレッシャーとの戦いでもあります。しかし、その時間を乗り越えてこそ、一人前の美容師としての自信が育まれるのです。
5. お客様対応のプレッシャー
美容師にとって最大のやりがいは「お客様の笑顔を見ること」です。しかしその一方で、最も大きなプレッシャーでもあります。
髪型は人の印象を大きく左右します。「思っていたのと違う」「似合わない」と感じられてしまえば、信頼を失うことになりかねません。お客様一人ひとりの要望をしっかりとヒアリングし、似合うスタイルを提案する力が求められます。
また、クレームやトラブル対応も避けて通れない現実です。美容師はただ技術がうまければいいのではなく、接客力やコミュニケーション能力も同時に磨かなければならない仕事なのです。
まとめ ― 大変さの先にあるやりがい
美容師という仕事には、長時間労働や体力的な負担、職業病、技術習得の大変さ、そしてお客様対応のプレッシャーなど、多くの困難があります。
しかし、それらを乗り越えた先には「自分の技術で人を笑顔にできる喜び」「感謝されるやりがい」「努力が目に見える形で評価される達成感」が待っています。
美容師は決して楽な仕事ではありませんが、人を幸せにする力を持った素晴らしい職業です。もしあなたが美容師を目指すのであれば、その大変さを理解した上で、ぜひ挑戦してみてください。きっと他の仕事では味わえない喜びに出会えるはずです。
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