あなたのお店はあと何年もちますか?

小見山日記

〜エイミーバヤフロート浦和店で学んだ、美容室の未来をつなぐ力〜

美容室の寿命は意外と短い?

「あなたのお店はあと何年もちますか?」
この問いかけは、美容業界に身を置く人間にとって決して他人事ではありません。

美容室は日本全国に約25万店舗あるといわれています。これはコンビニエンスストアの約4倍。数が多い分だけ競争も激しく、開業しても数年で閉店に追い込まれるサロンも少なくありません。あるデータでは、美容室の平均寿命は 10年に満たない とされています。

そんな厳しい時代にあって、長くお客様から愛されるサロンには、必ず「理由」があります。そのヒントを、私は先日お手伝いに入らせていただいた エイミーバヤフロート浦和店 で強く感じました。


すごいお店の条件とは何か

日曜日、浦和にあるエイミーバヤフロートで一日を過ごし、改めて「すごいお店とはこういうことなのだ」と気づかされました。

それは、特別なサービスや奇抜な演出をしているわけではありません。むしろ、そこにあるのは 当たり前のことを、当たり前以上のレベルで続けている姿勢 でした。

  • 笑顔でお客様を迎える
  • 丁寧な言葉遣いを徹底する
  • 施術後の細部にまで気を配る
  • アシスタントの動きをスタイリストが自然にフォローする

こうした行動はどこのサロンでも「やっているつもり」かもしれません。ですが、実際にそれを高い水準で継続できているサロンは多くありません。「普通のことを普通にやる」――その積み重ねこそが「すごいお店」をつくっているのです。


決して楽ではない働き方のなかで

美容師という職業は華やかに見える一方で、現場の働き方は決して楽ではありません。営業中は立ちっぱなしで、肉体的な負担が大きい。接客のストレスや体調管理の難しさもあります。

そのなかでアシスタントが一生懸命に学び、努力する姿を見て私は心を打たれました。営業の合間に先輩に質問する、道具の準備を率先して行う、笑顔を絶やさない。そんな一つひとつの積み重ねが「このお店はまだまだ伸びる」と確信させてくれたのです。

さらにスタイリストは、自分の仕事をこなしながらもアシスタントをフォローしていました。放置するのではなく、声をかけ、アドバイスを惜しまない。そこにサロン全体の「育てる文化」が根付いていることを感じました。


チームで喜び、チームで反省する

エイミーバヤフロートで最も印象的だったのは「チーム力」です。

  • 誰かが成果を出したときは、みんなで喜ぶ
  • 課題が見つかったときは、みんなで反省する
  • そして次の一歩を全員で考える

美容室は個人技の世界と思われがちですが、本来はチームで作り上げるものです。カットが上手なだけではお客様を満足させられません。受付、アシスタント、スタイリスト、全員が同じ方向を向いたときに、初めて「また来たい」と思っていただけるサロンになるのです。

この「みんなで前を向く姿勢」こそが、長く続くお店に必要な要素ではないでしょうか。


練習の在り方が問われる時代

一方で、美容室を取り巻く環境は大きく変化しています。
かつては「営業後に残って練習する」のが当たり前でした。アシスタントは日中の業務を終えたあと、夜遅くまでウィッグを相手に練習し、先輩にチェックを受けて成長してきました。

しかし今は働き方改革やコンプライアンスの観点から、そのやり方が難しくなっています。残業規制や労働環境の改善が求められ、サロンも「どうやって練習時間を確保するか」という課題に直面しています。

練習時間が確保しづらい時代においては、「効率的に学べる仕組みづくり」 が重要になります。

  • 朝練を取り入れる
  • 営業中にトレーニング枠を設ける
  • デジタル教材や動画で学習を補う

こうした工夫をしているサロンは、スタッフの成長スピードが速く、離職率も低い傾向があります。


お店を長く続けるために必要な3つの視点

では、あなたのお店をあと10年、20年と続けるために必要なものは何でしょうか。私はエイミーバヤフロート浦和店での経験を通じて、次の3つが鍵になると感じました。

1. 人材育成の文化を持つこと

アシスタントをただの労働力として扱うのではなく、「未来のスタイリスト」として育てる。努力を称え、失敗を責めず、成長を後押しする。育成文化があるサロンは、スタッフにとっても居心地の良い職場になります。

2. チームで戦う姿勢を持つこと

美容師は個人プレーに偏りがちですが、お店全体でお客様を幸せにする意識が必要です。誰かが困っていたら助ける。成功は分かち合う。そうしたチームの姿勢が「また来たい」と思わせる力になります。

3. 時代に合わせて変化する柔軟さ

練習方法、働き方、サービスの提供の仕方――時代とともに変えていく柔軟さが必要です。「昔はこうだった」に固執せず、今の環境に合ったやり方を模索すること。それがサロンの寿命を延ばす秘訣です。


あなたのお店はあと何年もちますか?

美容室は流行や時代の影響を強く受ける業態です。
ですが、エイミーバヤフロート浦和店のように「当たり前のことを高いレベルで続ける」お店には確かな未来があります。

  • アシスタントが努力できる環境をつくること
  • スタイリストが仲間を支えること
  • チームで喜び、反省し、成長すること
  • 時代に合わせて柔軟に変化すること

これらを大切に積み重ねていけば、あなたのお店も10年、20年と続き、地域に愛されるサロンになるはずです。

「あなたのお店はあと何年もちますか?」
この問いをきっかけに、ぜひもう一度、自分たちのサロンの在り方を見つめ直してみてください。

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