英語が話せない日本人と、話せるようになるためのたった一つの道

小見山日記

——「諦めずに続ける」という才能について

1. なぜ日本人は英語が話せないのか?

日本人が英語を苦手とする理由は、単純なようで複雑だ。
中学校から高校、大学にかけて、私たちは平均で10年以上英語を学んでいる。にもかかわらず、実際に外国人を前にすると、言葉が出てこない。文法は頭にあるのに、口が動かない。「This is a pen.」は言えるけれど、いざ「How are you?」と聞かれた瞬間に固まってしまう。

それは、学校教育が「話すための英語」ではなく、「テストに合格するための英語」だったからだ。
正しい文法、正しいスペル、正しい発音――どれも大切ではあるけれど、「伝えたい気持ち」よりも「間違えないこと」を優先してきた。
その結果、「間違えるのが怖い」という呪縛が、私たちの口を閉ざしてしまった。

だが本当は、言語とはコミュニケーションのための道具にすぎない。
「完璧な英語」を話す必要などないのだ。
伝えたい気持ちがあり、相手に届くなら、それは立派な英語である。

2. 英語を話せるようになるには?

私が思うに、「話せるようになる」よりも「話すことをやめない」ことが大切だ。
人間の脳は不思議なもので、やめた瞬間にすべてがゼロに戻る。
筋トレも、ゴルフも、サーフィンも同じ。
一度身につけたフォームも、数ヶ月やらなければ感覚が鈍る。英語もまったく同じで、続けている限り、少しずつ確実に前に進んでいる。

私は2年半ほど英語のレッスンを受けている。
それでも、まだ「ペラペラ」には程遠い。
それどころか、時々「この先、話せるようになるのだろうか」と不安になることもある。
だが、不思議とやめようとは思わない。
それは、「絶対に話せるようになりたい」という気持ちが、まだ心の奥で燃え続けているからだ。

3. 英語は「努力しないと吸えないタバコ」

英語を学ぶモチベーションの原点を思い出す。
それは単純だった――「英語を話す人は、かっこいい」から。
まるで若い頃にタバコを吸い始めた時の気持ちと似ている。
「大人っぽくて、スマートに見える」。
そんな憧れだった。

ただ、決定的な違いがある。
タバコは努力しなくても吸える。英語は努力しないと話せない。
この差は、実に大きい。
英語は、筋トレや楽器のように「練習しないと上達しない」スキルなのだ。

多くの人が途中で挫折する理由もここにある。
最初の数ヶ月は面白い。
でも、半年、一年と経つうちに「思ったほど話せない」と気づく。
そのとき、やめてしまう人がほとんどだ。
けれど、「わからない」「できない」と感じているときこそ、実は脳が最も成長している瞬間なのだ。

4. 英語学習とサーフィン、ゴルフの共通点

私の好きなことの中に、サーフィンとゴルフがある。
この2つは、どちらも英語と非常によく似ている。

サーフィンは、何度も波に乗り損ねて、転んで、体中が砂だらけになって初めてコツがわかる。
ゴルフも、何百回と素振りして、ようやく球筋が安定する。
最初からうまくいく人なんていない。
英語もまったく同じで、「間違える勇気」なしには上達しない。

波に乗れなかったからといって海を嫌いになる人はいない。
ゴルフのスコアが悪いからといって、クラブを捨てる人も少ない。
なぜなら、好きだからだ。
英語も「好き」である限り、きっと続けられる。

「好きこそ、ものの上手なれ」。
この言葉の意味を、私は年齢を重ねるごとに深く感じるようになった。
好きだからこそ、続けられる。
続けるからこそ、上手になる。
上手になると、さらに好きになる。
このサイクルに入ったとき、人はもう「努力している」とは感じなくなる。

5. 続ける人が最後に勝つ

英語を学んでいて感じるのは、「続けること」こそ最大の才能だということ。
誰でも最初は初心者。
語彙も文法も自信がない。
でも、2年続ければ耳が慣れる。3年続ければ、口が自然に動き始める。
10年続けた人の前では、「才能」などという言葉は意味をなさない。
残るのは「続けたか」「やめたか」だけだ。

私は、自分にこう問いかける。
「3年後、英語のレッスンは続けていますか?」
きっと、答えは「はい」だと思う。
なぜなら、上達するかどうかよりも、続けている自分でありたいからだ。
続ける人にしか見えない景色がある。
それは、英語だけでなく、人生すべてに通じることだと思う。

6. 英語を「学ぶ」ではなく「生きる」

英語が話せるようになったとき、何が変わるのか。
海外旅行で困らなくなる?
外国人の友達ができる?
もちろん、それも素晴らしい。
でも本質はもっと深い。

英語を通して、自分の世界が広がる。
日本という小さな島国の外に、広大な考え方と文化が広がっていることを肌で感じる。
「違いを受け入れる力」や「伝える勇気」が育つ。
それは、英語の文法よりもずっと大切な、人としての成長だと思う。

だから私は、英語を「勉強している」とは思っていない。
むしろ、「英語と一緒に生きている」という感覚に近い。
英語を通して、自分自身の成長を確かめる。
その過程が、人生の一部になっている。

7. 最後に――「諦めなければ必ず届く」

英語を話せるようになるには、時間がかかる。
でも、それでいい。
どんなに時間がかかっても、やめなければ、いつか必ず話せるようになる。
これは断言できる。
なぜなら、英語に限らず、人生のすべての成功は「諦めなかった人」が手にしてきたからだ。

もしあなたが今、英語に自信を失っているなら、こう伝えたい。
「焦らなくていい。立ち止まってもいい。だけど、やめないでほしい。」

やめなければ、必ず次の波が来る。
その波に乗る瞬間、きっとこう思うはずだ。
――「続けてきてよかった」と。


【あとがき】

英語が話せるようになるというのは、ただのスキルではない。
それは、自分の中に「挑戦し続ける自分」を育てる行為だと思う。
だから、私はこれからも続ける。
今日も明日も、拙い英語を話しながら、少しずつ、少しずつ前へ進もうと思う。
3年後の自分が、「まだ続けています」と笑って答えられるように。

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